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あしたの獅子法律事務所でのインターンシップ体験記

西南学院大学 Harun Samuel Situmeang 法学部国際関係法学科

  1. インターンシップに参加した理由や目的

人には誰にも、経験を通じて学び、限りなく成長し続けられるという能力が備わっています。そして、成長することで将来より大きなことに挑戦することができます。 私は、これまでも常に、新しいことをもっと学び成長したいという気持ちを持っていましたが、大学生活も後半に差し掛かり、専門的なスキルを磨いていかなければならない時期になり、この成長したいという衝動は更に強くなってきています。 特に、外国人としての言語のハンディキャップを跳ね返し、法律家という競争の激しい職業を目指しているのですから、それなりの覚悟が必要です。この業界について学び始めたとき、私のような法学部の学生が、この分野でのスキルと知識を磨くために、定評ある法律事務所や弁護士のもとでインターンシップ・プログラムを受ける機会が数多くあることに気づきました。そして、もし、そのような経験ができれば今後のキャリアへの最高のステップになるのではないかと思いました。

たくさんある法律事務所のなかで、大阪にある「あしたの獅子法律事務所」でのインターンシップに応募することを決めたのは、その事務所の弁護士である辻野篤郎先生の評判を聞いたからです。辻野先生は、いわゆる一般的な民亊法務だけでなく、企業法務や国際法務分野でも多方面で活躍されており、日本語だけでなく英語も担当な先生です。また、私が興味を持っている難民関連の案件にも取り組んでいます。このような先生のもとでインターンを受けることで、キャリアアップにつながる大きなチャンスを得られると確信しました。そこで、私は辻野先生の法律事務所でのインターンシップに応募することにしました。

辻野先生とは事前の面識は一切ありませんでしたので、私の突然の申出に少し驚かれたかもしれませんが、熱意をもってお願いしたところ、快くインターンシップとして受け入れていただくことができました。

  1. インターンシップ活動の内容と感想

2週間のインターンシップ期間中、私は様々な背景や法的なトラブルを抱える人々に多く出会うことができました。私は、その人たちのケースについて資料を読み込み、法律に基づいた最も適切な解決策を見つけるよう努めました。また、事件処理のための様々な書面のドラフトを作成し、辻野先生に見ていただくこともできました。ある企業と紛争状態にあるクライアントのために、その紛争相手に対して送付する回答書のドラフトも作成しましたが、授業や講義の課題を検討する場合と異なり、一つの手紙を書くだけでも、非常に多くのことを多角的に考えなければならないのだということを知り、衝撃を受けました。法的知識を正しく理解するだけでなく、相手に手紙を出すときの作法や表現方法、自分のクライアントの心情への配慮、相手方の反応を予想することなど非常に多くのことを考えなければ良い文章は書けません。

言葉の組み合わせや順番を工夫するだけでも、読み手にとっての分かりやすさや説得力は大きく変わってきます。辻野先生は、「プロにしか書けない質の高い文章を書くことができるからこそ、お客様は、快く、安くはない報酬を支払ってくれるんだよ。」と言っていました。弁護士にとって、文章を書くことは話すことと同じくらい重要なことなのだと理解しました。自分の考え方をどう言葉にして表現するかが最大の武器になります。

インターンシップを通して、外国人が当事者となっている労働事件にも触れることができました。その事件では、賃金不払、サービス残業、労働条件の一方的変更などが問題となっていました。特に、日本の法律について理解が不足しがちな外国人は、これらの問題の犠牲になっていることが多いです。貧しい国から来た外国人が、日本企業に誘われ、華やかな将来を期待して日本の会社で働き、結果としてひどい仕打ちを受け、過度の長時間労働を強いられているというケースもあります。日本語能力が不足しているために、労働条件を正しく理解できていない場合も多いです。

また、使用者側の違法性を基礎づける具体的な証拠がある場合でも裁判には長い年月がかかりますし、判決によって勝訴できたとしても、それにより得られる損害賠償金は、かけた労力に見合わない場合も多いです。裁判の結果、会社側が悪いと証明されても、零細企業の場合、一銭も払わないこともあります。そのため、多くの人が自分の権利のために争うことを嫌がる傾向にあります。このような状況は、これから少しずつ変えていかなければならない重大な問題だと思います。

また、私が一番興味をひかれたのは、難民に関するケースです。ご存知のように、日本で難民認定を受けられる確率は1%未満です。つまり、日本で難民認定を受けることはほぼ不可能なのです。しかし、辻野先生が現在担当されている方は、難民認定を受けられる可能性があるように思いました。しかし、それでも、1%未満という数字を考えると、難民として認定されるのは簡単ではないのかもしれません。辻野先生は、クライアントが難民として定住できるように、証拠を集め、できるだけ完璧な意見書を作ろうと頑張っていらっしゃいました。その方が難民として認定されることを私も強く願っています。

裁判の勉強以外にも、私はいくつかの法律実務を学びました。そのひとつが、秘密保持契約書(NDA)の書き方です。これまで3年間、大学で法律を学んできましたが、一度も英文での契約書の書き方を教えてもらったことはありませんでした。辻野先生は、私が英文契約の審査実務を経験できるように、あえて欠陥のあるNDAのサンプルを私のために作成してくださりました。私は、インターネットで調べたりして、そのNDAの欠陥や修正案を先生に報告すると、辻野先生は、英文契約書の読み方や書き方の基礎から丁寧に講義してくださりました。また。英文契約のドラフティングを学ぶための書籍も貸してくださりました。今後、契約について、もっと真剣に勉強し、英語と日本語の両方で契約書をドラフティングできるように努力していきたいと思います。

  1. 今後の方針

大学卒業を間近に控え、私はよく自分の将来について考えます。疑問はいくつもありますが、その中で最も頭をよぎるのは、どの職業を選ぶかということです。この決断が私の人生全体に影響を与えるので、慎重に選ばなければなりません。私はいつも、楽しくて、やりがいのある職業を夢見ています。ただ、お金を稼ぐために仕事をしたいわけではありません。その代わり、自分の職業や仕事を愛したい。また、社会貢献や人助けができるような仕事をしたいとも考えています。

私は子供の頃から、人が抱える様々な問題について最善策を見つけて解決する手助けをすることが好きでした。また、法律、特に国際的な法律を学ぶことにも情熱を持っています。ですから、いつか国際的な弁護士になろうと決めています。そして、その目標を達成するために、いくつかの計画を立てています。

まず、大学での勉強を完成させなければなりません。法律を、特に私にとっては外国語である日本語で、勉強するのは簡単ではありません。法律の分野は非常に幅広く、星の数ほどの条文と解釈があります。難易度が高く、努力と忍耐、そして記憶力が必要な科目です。貪欲な姿勢で卒業までに学べることは全て学びたいと思います。

卒業後は、自分の夢を実現するために弁護士になるために法科大学院に進学するか、あるいは、企業の法務部で働きたいと思っています。選択肢はその2つだけではありませんが、どちらを選んでも、その後の人生に多大な影響を与えることは分かっています。

辻野先生は、弁護士になる前は、上場企業の法務部で働いていましたので、その2つの選択肢のメリット、デメリットや、選択するための視点を色々と私に教えてくださいました。それだけでなく、辻野先生のクライアントの一つである製薬企業大手の法務部長さんとの面談も設定してくださいました。第一線で働く法務部長の方から、直接、グローバルビジネスの仕組みや企業の法務部で働くことのやりがいなど、貴重なお話を聞くことができ、私のキャリアの選択にとって、非常に参考になりました。

  1. まとめ

あしたの獅子法律事務所でのインターンシップを通して、私は多くの貴重な学びを得ました。今後の自分のスキルアップに活かせることばかりです。弁護士は、リーガルシンキングだけでなく、クリティカルシンキングやビジネスマインドなど様々な能力が試される職業です。決して簡単な職業ではありませんが、その分、挑戦しがいのある、わくわくするような仕事だと思いました。

大学卒業後の進路について迷っていましたが、この体験のおかげで、自分の目標を見つけることができました。あしたの獅子法律事務所での2週間で出会ったすべての人に感謝しています。辻野篤郎先生、中野博之先生、そしてこの期間で私を助けてくれた全ての人に、ありがとうと伝えたいです。この貴重な機会を与えてくださり、またお忙しいなか、この2週間丁寧に指導してくださった辻野先生には特に感謝しています。ありがとうございました。

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