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契約チェックの弁護士報酬について弁護士が思うこと(無駄な費用を払わないために)

契約業務にかかる弁護士報酬の相場

多くの法律事務所は、契約業務の弁護士報酬にはタイムチャージ制を導入しています。1時間あたり2万円であれば比較的安い方で、大手事務所のパートナー弁護士に依頼すると1時間あたり4万を超えることもあります。また、国内契約よりも英文契約の方が、取り扱うことのできる弁護士の数が少ないため、高額になることが多いです。

ここで、注意すべきは、1時間あたりのレートが安ければ安いほど、契約業務にかかる弁護士費用が安くなるというわけではないということです。

当たり前のことですが、1時間あたりのレートが低くても、たくさん時間をかければ、費用は高くなります。逆に、1時間あたりの報酬が高くても、短時間で作業を終えることができれば、結果的にかかる費用は安く済む場合もあります。

契約業務ではありませんですが、ときどき、訴訟の相手方となった弁護士が必要性に乏しい書面を大量に提出してくることがあります。おそらく、そのような事務所は、訴訟についてタイムチャージ制を導入していて、報酬を稼ぐために、本来、必要な範囲を超えた過剰なサービスを提供しているのだと思われます。そんなとき、私は、「こんなに無駄な時間をたくさん使って、お客様が可哀想だな。」と感じます。そういう意味のない書面に対しては、裁判所の反応も冷たいものです。

また、弁護士事務所の中には、パラリーガルなど、弁護士でない者による作業時間についても弁護士並みの報酬を請求しているものもあります。

 

1時間2万円は安いのか、それとも高いのか?

私の場合、国内契約は1時間あたり2万円(税抜き)、英文契約は1時間あたり2万5000円(税抜き)に設定しています(顧問契約を締結いただいた場合には、ディスカウントあり)。

この料金設定に明確な理由はないのですが、値切り文化の根付いた大阪の法律事務所なので、東京の事務所よりは少し低めの設定にしています。また、事務員に、表記ゆれや、スペルチェックなどを頼むこともありますが、そのような時間について、別途報酬を請求することはしていません。

ただ、上で述べたとおり、この金額がお客様にとって、安いか、それとも、高いかは、結局のところ、実際に頼んでいただかなければ分からないことです。

なお、あしたの獅子法律事務所では、英文契約書に関する無料の法律相談会を定期的に開催しております(全国対応。国内契約のご相談も可能です。)→詳細はこちらから。

 

契約業務のアウトソースは無駄になることもある。

当然、弁護士として依頼を受ける以上、そのサービスは、お金を払うだけの品質と速さを伴っている必要があります。

私の知り合いで、某メーカーの管理職をされている方が、以前、「社内の負担を軽減するために、契約業務を弁護士にアウトソースしたのに、委託した弁護士が、担当者を質問攻めにしてしまった。」と、愚痴をこぼされていました。また、「担当の弁護士に契約に関する質問をしたが、返信が遅すぎる。こんなに遅いと困るので、代わりに担当してくれないか。」という理由で新規依頼をいただいたこともあります。

一から十まで説明されなくとも、ビジネスの仕組みや課題を理解し、勘所を抑えた質問や助言をすることができる弁護士でなければ、契約業務をアウトソースをしても、かえって、社内の業務負荷を増大させ、ビジネススピードを遅らせてしまいます。我々も、そのような例を他山の石とし、サービス品質とレスポンスの速さには、常にセンシティブでありたいと思います。

弁護士 辻野篤郎

司法試験合格後、大手輸送機器メーカーに就職。法務・知財部に配属され、M&A、国際仲裁、特許ライセンス、金融法務、グローバルコンプライアンス体制の構築、プロスポーツビジネスなど、国内外の様々な法務業務を経験。その後、名門法律事務所にて、地方自治体、大学、大手メーカー、製薬企業、ベンチャー等への法的助言、英文契約書、技術契約書の作成支援、企業間取引紛争などを担当。2021年に中野博之弁護士とともに「あしたの獅子法律事務所」を設立。企業向けの契約講座も好評(国内契約講座 英文契約講座)。日本語 英語(TOEIC990点)。中国語は勉強中。

 

 

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