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【License Agreement】 ロイヤルティの支払方法や金額はどのように定めるべきか。

ライセンス契約(License Agreement)に関して、お客様から以下のようなご質問をいただくことがあります。

ランニングロイヤルティだけでなく、イニシャルペイメントも定めた方がよいのでしょうか?

ロイヤルティ料率は、売り上げにかけるべきですか、それとも営業利益にかけるべきですか?

ロイヤルティ料率は、何%にすればいいでしょうか?

ロイヤルティの支払い不法

ロイヤルティの支払方法は、大きく分けて二種類あります。

一つは、契約締結時に一括して支払う方法。

もう一つは、契約期間中の販売実績に応じて継続的に支払う方法。

一括して支払う方法はイニシャルペイメント(Initial Payment)やアップフロント(Upfront)などと呼ばれています。

一方、販売実績に応じて支払うロイヤルティは、ランニングロイヤルティ(Running Royalty)と呼ばれています。

イニシャルペイメントとランニングロイヤルティは、どちらか一方のみ定められることもありますが、併用されることも多いです。

特にノウハウのライセンスを伴う場合、ノウハウは、一度、相手に開示してしまうと、その後、当該ノウハウを相手が使用しているかどうかを把握することは難しく、ランニングロイヤルティとして回収することができなくなる恐れがあります。

そこで、そのような場合には、イニシャルペイメントとして一定の金額を契約時に受け取っておくのがよいでしょう。

ランニングロイヤルティの定め方

ランニングロイヤルティは、下記のように純販売価格にロイヤルティ料率を乗じた金額として定めるのが一般的です(*1個当たり何円という定め方もあります)。

売上げではなく、純販売価格(Net Sales)を基準として計算するのは、保険料、輸送費、梱包費用や税金などにまでロイヤルティ料率を乗じて計算するのは妥当でないので、余計な費用を計算の対象から除外するためです。

営業利益(あるいはEBITDA)の何%という定め方も可能ではありますが、そうすると、何をもって営業利益とするのか、定義がより複雑になりますし、ライセンシーは営業利益を明らかにするために、製造コストや販管費などの費用をライセンサーに開示しなければならなくなってしまいますので、純販売価格(Net Sales)を基準にした方がよいでしょう。

また、ロイヤルティ料率を何パーセントにするかばかりが重視されがちですが、純販売価格をどのように定義するかも同じくらい大切です。それは、保険料や輸送費などを除外するだけにとどまりません。たとえば、ライセンスの対象製品が部品A、部品B及び部品Cから構成されている場合で、部品Cにはライセンス対象の技術が全く利用されていないとき、あるいは、部品Cをライセンサーから購入するときは、ライセンシーとしては、純販売価格から部品Cの金額を控除すべきであると主張すべきでしょう。

25%ルール

25% ルール

ロイヤルティ料率を何%にするかについては、契約当事者が交渉によって自由に決めることができますが、何も基準がなくては、どのような数値を相手に提案すればよいか迷ってしまいます。そこで、営業利益の25%が一つの目安とされています。例えば、営業利益率20%の製品であれば、純販売価格の5%(=営業利益率20%×25%)がロイヤルティ料率の目安となるわけです。

このルールのポイントは、契約書に記載する純販売価格に対する割合ではなく、営業利益に対する割合を基準としていることです。会社の属している産業や製品の種類によって、利益率は大きく異なります。利益率の高いビジネスにおいては、売上げの10%程度のロイヤルティを支払っても十分利益が確保できる場合もありますが、一方、利益率の低いビジネスでは、売上げの5%のロイヤルティを支払ってしまえばビジネスとして成立しないこともあります。この点、25%ルールは営業利益に対する割合を基準としていますので、利益率の高低にかかわらず、適用することが可能です。

もっとも、25%ルールはあくまで目安であり、対象特許の重要性や交渉の結果次第で、営業利益の25%より高くなることもあれば、低くなることもあります。また、一つの製品に多数の特許技術が利用されているような場合には、そのうちの一つの特許に営業利益率の25%ものロイヤルティを支払うことが妥当かどうかということも考えなければなりません。そのような場合には、ライセンシーとしては、上記のように純販売価格から除外される項目の範囲を増やすか、あるいは、ロイヤルティ料率を低く設定するよう交渉するべきです。

ミニマムロイヤルティの設定

特に、独占的ライセンスの場合、ライセンサーとしては、ミニマムロイヤルティ(Minimum Royalty) を定めておいた方がよいでしょう。独占的ライセンス契約の場合、ライセンサーは、ライセンシーによる販売実績が不良の場合でも、他社にライセンスを付与して利益を得ることはできません。そこで、そのような場合に備えて、ミニマムロイヤルティを設定することで、最低限の利益を確保しておく必要があります。

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